先日亡くなられた元アップルコンピュータCEOのスティーブ・ジョブズ氏が生前に言った言葉です。
私はスティーブ・ジョブズという人を尊敬しておりますが、例えそれが演出だとしても口の悪いところは好きではありません。
人の好き嫌いは恣意的な指標なのでさておき。
スティーブ・ジョブズ氏の作ったアップルコンピュータと共にこれまでの私の仕事人生がありました。
初めてアップルに出会ったのは、なんと帯広に住んでいた高校生3年生の時です。
店名と場所は忘れましたが、当時では珍しいパソコンショップが駅前通にある雑居ビルの2階にあり、そこにMacintosh Plusがデモ展示されておりました。
パソコン自体の大きさやデザインに驚いたのはもちろん、何と言っても画面に映し出されていたアニメーションに度肝を抜かれました。
当時、日本でパソコンといえば、NECの88シリーズや98シリーズなどが台頭しており、そのデザインや表現力はマッキントッシュとは対照的なものでした。
その衝撃といったら、今でも鮮明に覚えています。
白黒のチェッカーフラッグ模様の面の上で、同じく白黒のチェッカーフラッグ模様の球体が、ポーン、ポーンと跳ねているんですよ。動きもすごくリアルに。
まあ、今ではチャンチャラおかしいデモではありますが、当時の私にはすごくショッキングでした。
1976年から2007年までAppleプロダクト クリックで拡大できます |
高校を卒業後、コンピューターソフトウェアの勉強をしてから、東京でシステムエンジニアとして働くのですが、どうもこれが私の抱いていたイメージと違ったんですね。
ソフトウェアを作るというよりは、パソコンを使ってクリエイティブな仕事をしたかったということに気づきました。
そして、当時、博報堂の社員だった人が設立した広告プロダクションに紹介され、顔合わせの時に出会ったのが、Macintosh IIfxとIIciだったんです。
Macを使ってどのようなことをしているのかを見せてもらい、ぶったまげましたねぇ。
もう即入社させてくださいと懇願しました。(笑)
そこから独立して今日に至るまで、仕事でもプライベートでも常にAppleの製品はいつも側にあります。
そして、それは今後も変わらないと思います。
シャープの持ち歩く液晶テレビ「フリースタイル AQUOS」 |
話は変わり、冒頭に記載したジョブズ氏の言葉は、実は私も共感しています。
同じく共感している人は多いと思います。
先日、CEATEC JAPANという日本で最大のエレクトロニクスの展示会に行き、それを強く感じました。
一昔前はエレクトロニクスショーと言われていた展示会で、時代の流れでエレクトロニクスショーを中心にさまざまな展示会が合併してできた展示会です。
不況が長引いていることもあり、一昔前に比べガラガラでした。
大手がかろうじて頑張っているものの、それ以外は小さな装飾もしていないブースが目立ち、すっかり寂しい展示会となってしまっております。
展示されているものの目玉といったら、進化した3Dのビジュアル機器。
さらに高画質化された4Kテレビ。
極めつけは、ソニーの3Dヘッドマウントディスプレイと双眼鏡タイプの3Dビデオカメラ。それ以外には、記録メディアのクラウド化やソーラー発電や蓄電池などがありました。
まあ、どれもドキっとするような魅力的なものがないんですよね。
唯一、ドキっとしたものは、シャープの持ち歩く液晶テレビ「フリースタイル AQUOS」でした。(笑)
これは発想が最高ですね!私はシャープファンではないですが、さすが目の付け所がシャープだと思いました。
ジョブズ氏が言っている言葉は、アップルの製品を際立たせるための演出もあったかもしれませんが、日本の企業はそれを警鐘と受け止め、精進しなければならないのかも知れません。
私が仕事で企画をする際に一番気をつけていること、それは「接触する人の期待を裏切り予定調和を破壊すること」です。期待を裏切るというのはいい意味での裏切りです。
様々な事情で全てがそうならないこともありますが、まずはそこを目指し挑戦します。
ジョブズ氏が言った「固定概念から脱する」ということに似ているのであれば、私がアップルを愛してやまない理由がそこにあるのかもしれません。
あらためて、スティーブ・ジョブズ氏のご冥福を心からお祈りします。
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