2011年10月14日金曜日

ベビースモーカー禁煙成功の軌跡

TASPOではなく運転免許証でも買える自販機

最近は本当に愛煙家には辛く悲しいご時世であります。
どんどん値上げされる煙草。禁煙地域で喫煙すると罰金。公共施設内や乗物内での全面禁煙。喫煙所の削減と狭小化。自販機ではTASPOが無ければ買えないなどなど。
5,6年前にはここまで酷くなるとは思わなかった。

かくして私もかつては愛煙家で、2004年に奇跡の禁煙を成し遂げ、今年で7年目を迎え、すっかり嫌煙家であります。(笑)

「煙草で一服」という言葉があったとおり、喫煙家にとっては煙草はリラクゼーションアイテムです。
だから喫煙している人に禁煙を薦めたりしません。
でも、禁煙したいけどできないという方は、これから紹介する私の禁煙までの軌跡を、禁煙術の一例として参考にするのもいいかもしれません。

なぜなら私の禁煙は家族や周囲の知人友人から「奇跡」と呼ばれたほどの禁煙だったからです。
特に好きだった葉巻「コイーバ SIGLO」

私の喫煙暦は長く、しかも吸い始めたころからヘビースモーカーでした。
禁煙に成功する頃には、1日だいたい80本、徹夜のときは1日100~120本。休暇のときは普通の煙草以外に葉巻を1日数本といった状態で、起きている時は10分ぐらいで1本吸うようなペースでした。
もちろん止めるつもりはありませんでしたし、葉巻が大好きな愛煙家でした。

ところがある日、朝起きると黒い痰が出る日が何日も続きました。
以前にも何回か黒い痰がでたことがあったのですが、何日も続くのは初めてで、「これは、もしかして肺ガンかも」と思ったのが始まりでした。

その瞬間、少し前に肝臓を悪くして入院したときに相部屋になった、肺病の根本さんというオジサンを思い出しました。
根本は自分で呼吸すらできなく、気管に穴を開けられ、そこに太いチューブが刺さっており、それで呼吸をしていました。
昼夜を問わず頻繁に管から痰を取ってもらい、食事も流動系で、楽しみはテレビだけとボヤいてました。
根本さんが煙草でそうなったかどうかは知りませんが、ああなる前に急がねばと思った私は、すぐに近くの病院で肺ガン検診を受けました。
結果が出るまでは気が気ではありませんでしたが、結果は「異常なし」でした。
ホッとすると同時に、禁煙への意欲が急激に高まりました。

まず始めに私がしたことは、買い置きしてあった煙草2カートンを箱から出し、24個の煙草を、封を開けずに蓋の付いていない小さなゴミ箱に捨てました。
一つずつではなく、一気に捨てような感じです。
するとなんだか不思議な感覚がしたのを今でも憶えています。
なんかまるで、あれだけ好きだった煙草が、前から好きでなかったように思え、次の瞬間ゴミにしか見えなかったのです。

そしてしばらくすると、肺がムズムズするような誘惑がやってきます。
禁断症状なんて病気のように言う人もいますが、私は違うと思います。
こういう言い方をすると怒られるかもしれませんが、あれはオシャブリを取り上げられた赤ちゃんが泣くのと同じ現象だと思います。
ある程度の中毒性はあるかもしれませんが、吸わなければ体調に支障をきたすようなものではありません。
そのムズムズとどう戦うかが勝負どころです。
禁煙を失敗する多くの方はここで挫折するのでしょう。

でも、既に一つのお守りを持っているのです。
それは、大量の煙草を捨てたときの不思議な感覚です。
煙草がゴミにしか見えなかった、あの感覚です。
ゴミ箱は数日の間、そのままの状態にしておきました。
そしてムズムズしたらゴミ箱をじっと見つめ、あの感覚を思い出す。
外出中はゴミ箱を脳裏に焼きつけ、それを思い出す。
今の時代なら携帯で写真を撮っておきそれを見るのもよいでしょう。

それを数日していると、ほんの少しだけ、人の吸っている煙草の匂いが気持ち悪くなる瞬間が訪れます。
いよいよここからが仕上げです。
信じられないぐらいクソまずい煙草を探し出し、それを買ってきて、ほのかに起こるムズムズの時に吸うのです。
クソまずい煙草をゆっくりと味わうことで、煙草がどんどん嫌いになっていきます。
そしてもう吸いたくも無いと思ったら、そこがほぼゴールです。
あとは、人から薦められても、吸っている人を見ても、「この人、あの人たちは野蛮人だ!」(本当は違いますよw)と思えば大丈夫です。

私はこの方法で、禁煙し始めてから1ヶ月弱で禁煙に成功しました。
ヘビースモーカーだった私が、自分でも本当に感心します。奇跡としか思えません。

現在の禁煙ブームを考えると、本当に良かったと思います。
胸ポケットにいつも煙草を入れていた私は、当時胸ポケットが無い服を買うなんて信じられないと本気で思っていましたが、今は煙草とライターという装備品が減った身軽さに喜びを感じています。
煙草を吸っていない時間を、どう過ごせばいいのだろうと恐怖心さえありましたが、今ではそんな時間あったのかというぐらいにしか感じていません。
むしろ煙草を吸っていた時間が無駄で無駄でもったいなく思います。
今ではもう二度と吸いたくもないです。
「百害あって一利なし」とは言い過ぎかもしれませんが、私は心の底から本当に思います。

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