2011年11月17日木曜日

私の株式投資ライフ 後編


営んでいた事業を縮小しつつある中で、それまで仕事に使っていた時間の一部が空いてきました。
その時間を利用し、好調だった株式投資をさらにルーチン化させよと始めたのがデイトレードでした。
数ヶ月前から研究を重ね、どうすれば超短期間でローリスク&ローリターンを繰り返せるか、そしてそれを1日のうちに少しでも多くそれを繰り返せるか、自分なりの方法を見いだしました。

当時の写真が1枚も残っていないので
転載させていただきました ごめんなさい
これは私のデスクではないですが、こんな感じでした
詳しく説明するとすごく時間がかかるので、簡単に説明すると、銘柄の中にはIRやニュースリリースに関係なく値動きが活発な銘柄があります。
あくまでも値動き重視で業績などはほとんど見ません。
もちろんIRやニュースリリース関連の銘柄もウォッチしますが、それらの銘柄を少なくても20社から30社程度まで前日までに前の日の動きなどから絞り込みます。
前場の寄り付き前から、その20社から30社の株価を歩値やチャートでリアルタイムにウォッチし始めます。
市場が始まり、銘柄に動きがあったら、会の準備をし、ある動きが見られたら買います。
買った後は決して買い増しせずに上がっているうちに売ります。
もちろん様子見などせずにスパっと売ります。
たまに上がらない場合もありますが、数秒しても上がらない場合、または上がらずに下がった瞬間に売ります。
これを機械作業のように繰り返すのです。
欲張らない、期待しない、損をしても気にしない、この3つを取引のポイントにしていました。
投資額にもよりますが、これでそれなりに稼ぐことができます。
簡単に紹介しましたが、実際はもう少し複雑です。
よくデイトレーダーの本などで書かれていることに似ているとは思いますが、私も本を出そうとした口です。
結局出しませんでしたねどね。(笑)

最初のうちは研究の成果が出ることが楽しくてしょうがなかったんですが、利益が出ながらもだんだんとこの生活に疲れてきました。
その時の生活スケジュールの資料があったのでログります。

【前日】
15:00 反省会。
     ノウハウ資料更新。
     成績記録。
     日経CNBCを見る(TOKYOアップデート)
     日経CNBCを見る(TOKYOマーケットラップ)
     シンガポール市場チェック。
17:00 前日作戦会議。(保有銘柄・今日の注目銘柄・IPO)
     夕刊のチェック。
18:00 夕食
19:00 注目銘柄分析、検討。
     注目銘柄ウォッチ登録。
     シンガポール市場チェック。
23:00 ワールドビジネスサテライトを見る。
     東証速報チェック。
     情報収集。
     注目銘柄見直し。
24:00 就寝

【当日(開場前)】
6:00 起床
6:55 日経CNBCを見る(ニュースモーニングサテライト)
    朝食
7:30 ニューヨーク株価など海外市場のチェック。
    マネックスナイターのチェック。
    新聞のチェック。
    注目銘柄最終見直し。
8:30 日経CNBCを見る(TOKYOモーニングエクスプレス)
    外国人投資家の売買動向をチェック。
    注目銘柄の寄り付きチェック。
    最終注目銘柄決定。
8:50 スタンバイ

【当日(場中)】
・前場
  9:00~10:00(寄り付き) ※重要時間帯(注文活発化)
  10:45~11:00(前場終了間際) ※重要時間帯(前場の〆、後場へのつなぎ)
・昼休み
  11:00~11:15 日経CNBCを見る(TOKYOマーケットウォッチ)
  11:15 昼食
  12:00 日経CNBCを見る(TOKYOマーケットエクスプレス)。
       東証速報チェック。
       前場ランキングチェック。
       他デイトレーダーサイトのチェック。
       注目銘柄の寄り付きチェック。
       後場最終注目銘柄決定。
  12:20 スタンバイ
・後場
  12:30~13:30(寄り付き) ※重要時間帯(注文活発化)
  14:30~14:55(後場終了間際) ※重要時間帯(当日の〆、翌営業日へのつなぎ)
  14:55(終了5分前)に終了。 ※それ以降は取引しない。

以上です。

異常です。(笑)
見て分かるとおり、起きてから寝るまで株のこと、つまりお金のことしか考えていません。
バカな私は、これを数ヶ月やった後にようやく気づきます。
そもそもお金の仕事が好きなら、金融関係の道に行くはずで、私は間違っても好きなほうではなく、ただただ趣味で株取引をしているのが楽しかっただけなんです。
そして、順調だったにもかかわらず、ある出来事がきっかけにキッパリと足を洗ってしまいました。

それは、ネット回線が取引の致命傷になり始めたことでした。
ある朝、いつものように取引をし始めると、買い注文を出してから、なかなか約定せず、上がりきったところで約定してしまうのです。
さらに、その株をすぐに売ろうと売り注文をだしても、これまたなかなか約定せず、下がりきったところで約定してしまうのです。
つまり、最も高いところで買って、最も安いところで売ってしまうという、最悪な事態が前場の寄り付き前後の取引の時に頻繁に起こり始めました。

さすがにそのまま売買をするわけにもいかず、また、前場の寄り付き前後は最も稼げる時間帯だったので、証券会社のシステム担当者に問い合わせをしてみました。
私の自宅、証券会社、東証までの回線、この3区間のどこでラグが起こっているのかを調べてみたところ、証券会社と東証までの間の回線がボトルネックになりラグが起きていたことが判明しました。
システム担当者は、その回線は東証から分け与えられている回線のため、東証が改善しなければどうにもできないというのです。
これには、どうにもお手上げでした。

2010年から稼動している東証のarrownetの構成図
(※図は開発段階のものです)
高速性、信頼性、拡張性、接続性が特徴だそうです
個人的には、よくこんな図を公開するなぁと感心しますw
そんなんだからアノニマスの格好の餌食になるわけですw
その後、数日間ラグを避けて取引をしてみましたが、どうにもパフォーマンスが上がらず、残念ですが撤退を決意しました。
その数日後に、東証が証券会社との回線の増強を早急に検討する記事が日経新聞にでておりました。
恐らく私以外にも、多くの投資家からクレームがあったのでしょう。
原因は個人投資家の激増と、それに伴った単位株数の引き下げだったと記憶しております。

こうして、私の株式投資ライフは終わりました。
それ以来、一切トレードはやっていません。
保有していた株やファンドは全て手仕舞いしてしまいました。
利益が上げれるから向いているのではなく、金融の世界が好きかどうかがポイントだと思います。
まぁ、私のやっていたトレードなんて、金融の片隅にもおけないような手法だったとは思いますけどね。

そんなこんなで、株式投資や経済というものを少しは勉強できたこと、所詮個人投資家なんて大きな経済の流れの中のチリみたいな存在だということに気づいたことは、私にとっては大きな財産でした。
ちなみに、その時に稼いだお金の財産はもう一銭も無いですけどね。(笑)

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