人格を疑われやしないかと、この手の話はしないでおこうと思いましたが、これも貴重な人生経験なので一応ログっておくことにしました。
広告プロダクションで働いていたときに、大手広告代理店の営業だった方が私に株取引の話をしてくださったのが事の始まりでした。
その方の奥様が株取引をされていて、そこで得た利益で高級車を買ったというお話でした。
まあ、その代理店さんの社員といえば、実家がお金持ちの方が多く、そのような話は自慢話にもならないので、若い私に仕事の合間の駄話で話してくれたのでしょう。
株なんて縁もないほどお金がなかった私にとっては、「ふぅ~ん」ぐらいの話でしかありませんでした。
ここが野村證券本社です 初心者がいきなりココで株を買うようなバカなマネはしないでくださいw |
好奇心旺盛な私は、すぐに野村證券の本社(なんで本社なのかw)に行き、何もわからないまま、窓口で某ゲーム会社の株を200万円(なんで200万円なのかw)ほど購入しました。
今考えれば、なんとバカなことをしたのかと思います。
やっぱり買うならいい営業がいそうな本社がいいんじゃない?とか、購入金額もなんかそのぐらいは買わなきゃいけないのかな?という感じでした。
当時の野村證券の本社はロビーが国立美術館を思わせるような重厚な造りで、伝統あるレトロな大理石造りでした。
出入りする人もお金持ち風な方ばかりで、私のような若造は一人もいませんでした。
購入はというと、窓口の女性とのやり取りであっさりと終わってしまい、こんなものかと思いました。
その日のうちに、すぐに本社の営業から電話があって、そこから私の株式投資ライフが始まりました。
しばらくは売買をせずにいたのですが、担当営業の方にIPOという新規上場株を薦められたところから一気に株取引に目覚め始めました。
私が広告業界の人間だということで、電通さんのIPOを紹介してくれました。
今のIPOはローリターン、ローリスクという言葉を信じ、すぐに購入しました。
公開日までドキドキで、これは楽しいと思い始めました。
2001年11月30日公開日当日、営業さんからは、公開して値がついた直後に連絡をするから、売るか保留にするかは、その時に決めてくださいと言われておりました。
そして、9時の前場が始まる前からウォッチをしておりました。
新規公開株はいきなり値を付けないで、ジリジリと値を上げていくことが多いのですが、なんといきなり値を付けてしまい、いきなり値をつけたと思ったら直ぐにストップ高になってしまいました。
素人の私でもこれはおかしいと不思議に思っていたら、すぐに営業さんから電話が来ました。
どうやら原因はUBSウォーバーグ証券が大量の誤発注をしてしまったとのことでした。
当時の日経新聞の記事です この時の野村證券の営業さんは「ほんとしょうがないですよねぇw」と 他証券会社の失態をちょっと嬉しそうに話していましたw |
更に、コンピューターに警告画面が表示されたのに、担当者は無視して実行してしまったそうです。
この注文は9時2分に取消されましたが、2 分間で16円ではないものの、40万5000円から42万円で約6万5000株の売買が成立しました。
初値が42万円で終値は47万円(ストップ高)でしたが、UBSウォーバーグ証券の誤発注がなければ、初値も終値も高くなっていたと思われます。
UBSウォーバーグ証券は、誤発注に気付いてから買戻しを行いましたが、5万株とも言われる不足分については、電通株を保有する複数の金融機関から株券を一時的に借りて調達したそうです。
結局、終値は47万円で時価総額は6500億円強となり、この年の新規上場会社としてマクドナルドを抜いて最大となりました。
すっかり水を差された電通の株は、その日以降もストップ高を付け続けましたが、所詮ストップ高。
私は、ストップ高に張り付かなくなった時を見計らって手仕舞いしてしまいました。
ビギナーズラックとも言うべきか、これで味を占めた私は株取引にハマっていきます。
そしてその辺りから、株式相場はIPOフィーバーに突入していきます。
さらっと振れるだけのつもりでしたが、長くなってきたので続きは次回にします。
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